ワンルーム・ビターキス
「後悔しても知らねえぞ」



「しないよ。ほっとけ」





元々兄貴とは仲が悪かったわけじゃなかった。



俺が素直で純粋だった頃はよく遊んでくれたし、勉強も見てもらっていた。




でも思春期の俺はくだらない嫉妬で兄貴を避けるようになって。


お互いがお互いに、歩み寄るのを辞めたんだ。





「…まぁ、もう好きにしろよ。」



「ああ、好きにするよ」





兄貴と最後に言葉を交わしたのは多分この時。


これがダメ人間でありダメ教師、楠木翠の過去の話。






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