ドキドキするだけの恋なんて

週末は ほとんど 私の部屋に 泊まって。

私と 一緒の 休日を 過ごす 翔真。


「この部屋 ホントに 居心地いいよね?」

「えー?部屋のせい?」


「ククッ。あず美が いるから 居心地いいんだよ。」


「フフッ。無理やり 言わせちゃった。」


翔真と 過ごす時間は いつも 自然で。


2人で 別々のことを していても

全く 違和感が なかった。


一緒に 食事の用意を したり。

寄り添って 映画を観たり。


ありふれた時間が 退屈じゃなくて。

不思議なくらい 寛いでいられた。


「明日は ドライブしようか?」

「だいぶ 涼しくなったもんね。」


タケルと 別れてから 私は

ずっと 一人だったから。


4年も 恋人が いなかった私は

誰かと 付き合うことが 不安だった。


一人で過ごす時間が 長かったから

誰かと一緒にいて 窮屈じゃないか。


少し 恋が 面倒に なっていた。



この部屋に 翔真が 来ることだって

すごく 抵抗が あったけど。


翔真は 自然に 私の部屋に 馴染んでいる。


恋人がいるって やっぱり 楽しい。


一緒にいない時でも 私を 思ってくれる人が いることは 幸せだし。


次に会うときのことを 考えることで

何でもない毎日に 張り合いができる。


それは 翔真だから…?





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