ドキドキするだけの恋なんて

「最初に会った時から あず美とは 波長が合うって 思ったけど。付き合い始めて 驚いたよ。嘘みたいに しっくりきてさ。」


「うん 私も。一緒にいて すごく自然で。不思議…」


「こんなに 構えないで いられる彼女って あず美が 初めてだよ。」


「えー?翔真 どれだけ 彼女いたの?」


「ハハッ!たいしたこと ないから。心配しなくて 大丈夫。」

「でも…何か 気になる。」


「この歳だからさ。何人かと 付き合ったけど。もう 終わったことだよ。」


「うん…私は 野本君と 別れてから ずっと 一人だったから。ちょっと 自信なかったんだぁ。」


「自信?」


「うん。私 恋愛できるのかな、って。」


「で?」


「うん…できてるよね?」


そっと 翔真の横顔を 盗み見ると

私を見る 翔真と 目が合ってしまう。


照れて 俯く私。


翔真は そっと 私の手握った。


ドキドキして ピクッと 驚く私を

翔真は 少し笑って…


「どうしたの?」


「ううん。何か 照れちゃう…」


「可愛いな あず美…」


やっぱり 恋人って いいなぁ。

私は 甘い幸せに 胸を熱くしていた。






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