子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
数日前、仕事上がりに6ヶ月の検診に行く予定だと柊也さんに伝えると、「一緒に行く」と、当たり前のように申し出てくれた。



「ほら、行くぞ」

外へ出る時はもちろんのこと、病院内を少し移動するだけでも手を繋いでくれる。
彼の行動は全て、私と子どもに何かあったらいけないから、ということが基準になっている。
そんなことを幸せに感じてしまうから、ますます離れ難くて、期待する気持ちも抱きそうになる。


もしかして、私の両親にもこんなふうに過ごす時間があったのだろうか?
私が気付いた時には、お互いに文句を溜め込むばかりだったけど……


「紬、どうかした?」

病院の待合室でそんなことを考えていたら、ボーッとしているように見えたみたいだ。

「そろそろ、性別がわかる頃かなあって思って」

咄嗟に誤魔化したけれど、これも今、すごく気になっていることだ。

「紬はどっちがいい?」

「うーん……元気に生まれてくれれば、どっちでもいいっていうのが本音だけど。柊也さんは?」

一瞬、驚いた顔をした彼を見て、しまったと気が付いた。彼との別れは、もうすぐそこまで迫っている。こんなこと聞いたって、困らせるだけだ。

「そうだなあ……俺も、元気で生まれてくれればどちらでもいいかな。あっ、でも、紬似の女の子ってのもいいな」

やっぱり……
彼は優しいから、そんなふうに返してくれる。



< 150 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop