子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「橘さん、どうぞ」

腹部エコーになって以来、柊也さんも一緒に話を聞いている。
医師から「お父さんは……」なんて不意に声をかけられても、何も戸惑うことなく、普通に応じている。それに、説明も一言も聞き逃さないっていう勢いでいるから、医師はまさか私達が契約の関係だなんて、微塵も疑っていないだろう。


「そろそろ性別がわかることもありますが、知りたいですか?」

「はい」

私が答える横で、柊也さんも頷いている。
もうすっかり人の形になってきた我が子を見ると、ますます愛情が増してくる。

「見えるかなあ……うーん……ああ、おそらくですが、女の子のようですね」

〝男の子とは違って、絶対とは言えませんが〟って、苦笑混じりで医師が教えてくれる。

女の子かあ……
正直、男の子のことはよくわからないから、初めての子育てが同性だというのはいいかも。ちらっと柊也さんを見ると、心なしか、口角が上がっているように見えた。

「そろそろ胎動を感じられるかもしれませんよ」

胎動……早く感じたい。一層、ここに赤ちゃんがいるんだって実感できそう。




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