子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「な、なんだか今日は疲れちゃったから、先に寝てるね」

「紬?」

引き止められてしまうより早く、キッチンへ向かう。
冷蔵庫にゼリーをしまう様子を、柊也さんがじっと見ているのを感じるけれど、振り向く勇気はない。

「大丈夫か?」

「う、うん」

「ならいいけど……」

イマイチ納得していないのか、疑わしげな柊也さん。
けれど、私の態度がそうさせたのか、それとも妊婦を刺激するのはよくないと判断したのか、それ以上追求するようなことはなかった。

「おやすみなさい」

「おやすみ」

急いでベッドに潜り込むと、バクバクいう心臓をギュッと押さえた。


さっき、柊也さんに抱きしめられた時、ボディーソープの香りがした。しかも、知らない香り。
気のせいじゃないはず。

柊也さんは私と結婚して以来、本当にタバコをやめたし、妊娠がわかってからは、においが気になるといけないからって、香水もつけなくなった。

そんな彼から、嗅ぎ慣れない香りがしたって……



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