子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「で、ボディーソープのにおいがする理由は、聞かずじまいでいるってわけね?」

「う、うん。だって、私に聞く権利はないもの。それに、そんなことしたら、問い詰めちゃいそうで……」

「なるほどね。まあ、紬の気持ちもわかるわ。ていうか、前回期待を持たせるようなこと言っちゃって、本当にごめん」

「ううん、いいの」

綾が共感してくれただけで、少しだけ心が軽くなった気がする。



「で、子育てをする準備は進んでるの?」

「少しは……」

衣服とか布団なんかは、先日ネットで購入して、会社の空きスペースに置かせてもらってある。
ベッドはレンタルの予約を入れたし、ベビーカーは生まれた後に実際に乗せてみて決めようと思っている。しばらくは抱っこ紐でなんとかなりそうだし。


「じゃあ、あとやらなきゃいけないことは?」

「名付けと……って、これはまだ、生まれてからでいいんだけどね。目下の悩みは、住む場所の確保かな」

結局、未だに物件を見つけられていない。

「うーん……」と考え出した綾を、じっと見つめた。

今の綾は、本当に幸せそうだ。元々オシャレに気を遣う子だったけど、恋人未満君と付き合うようになって、ますます磨きがかかっている。

綾達の付き合いがいずれ結婚に繋がって、その先もずっと仲睦まじい姿を見たら、その時は私も結婚もいいかもしれないと思えるだろうか。

〝その時〟は、私もすっかりおばさんになっていて、結婚なんてすごくかけ離れたことになってるだろうけど……




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