子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「う……ん……」

眠りから目を覚ますと、薄いピンク色の壁紙が視界に飛び込んできた。
ここはどこなのか……
私、どうしてたんだっけ?
なんだか、すごく懐かしい夢を見ていた気がする。

でも……

ハッとしてお腹に手を当てると、その存在を主張する膨らみに触れて、少しだけホッとする。

「赤ちゃん……」

「紬?」

人がいるなんて思ってなくて、ピクリとする。

大好きで仕方のない人の声。
強引で、俺様で、エロ大魔王な彼なのに、今私を呼んだ声は力なく、不安一色だ。こんな声、聞いたことがなかった。

「柊也、さん?」

「紬、大丈夫か?」

そう聞かれて、お腹に目を向ける。

「赤ちゃんは?」

思い出した。私、女の人にぶつかられて……

お腹は大きなままだもの。大丈夫よね?赤ちゃんは、元気でお腹にいるよね?
意識がはっきりしてくると、途端に不安になってきた。

柊也さんは私の手を握ると、近付いて顔を覗き込んできた。

「大丈夫だ。心配ない。ちび助もちょっとびっくりしてたみたいだけど、今は落ち着いている」

びっくり……
そう聞いて、思わず顔をしかめた。

女の人にぶつかられてから、すごく痛くて……
確か救急車に乗せられたはず。
きっと、お腹の赤ちゃんにも苦しい思いをさせてしまっただろう。

「無事で、よかった……」

お腹を撫でながら、しみじみと呟いた。




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