子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
翌日、退院許可は降りたものの、再びくれぐれも安静に過ごすことを念押しされてしまった。次は入院ですよと、半ば脅されるように。

落ち着いた頃聞かされた話によると、私にぶつかってきた女性は、万引きの常習犯だっという。あの時も万引きをした後で、一目散に店を後にしようとしていたところだったらしい。




私をマンションに送り届けたら、柊也さんはてっきり仕事に行くものだと思っていたのに、今日は休むと宣言してきた。
それについて、言いたいことはあったけれど、きっと何を言っても覆さないだろうと諦めた。
それに、昨夜帰るように言った時の彼の傷付いたような顔が頭を離れなくて……あんな顔をさせたくなかったから。

何かを言えば、またあの傷付いた表情をさせてしまいそうで、何も言えなかった。


リビングで仕事をしながら、甲斐甲斐しく私のお世話をしてくれるのが、なんだかくすぐったい。
柊也さんのことを考えれば、自室に下がっていた方がいいはずなのはわかっていたけど、どうしてもそうしたくなかった。彼の存在を身近に感じていたかった。

寝ているだけなんて退屈だろうって、柊也さんはリビングのソファーにたくさんのクッションを敷き詰めて即席のベッドを用意してくれた。
そこに、動かなくてもいいようにって机を横付けにして、リモコン、ティッシュ、雑誌、スマホと、几帳面に並べてくれたのには、思わず笑ってしまった。コアクリエイトの惨状を知っているだけに、この几帳面さは意外だ。

挙げ句の果てに、「一緒に昼寝するぞ」なんて添い寝までし出すし。
そう言った彼の方が、先に寝てしまったのはご愛嬌。きっと、日頃の疲れに加えて、昨日散々心配をかけてしまったことで、精神的な疲れもあったのだろう。

そんな柊也さんを見ていると、なんだか私も眠気を誘われてしまった。
次に目覚めた頃には辺りは薄暗くなっていた。


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