子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「しゅ、柊也さん?」

「……本命って、なんのことだ?」

「なんのって……」

私にそこまで言わせる気だろうか……

「なあ、なんのことだ?」

なせ私が攻められてるみたいになっているのか。
追求の手を緩める気配のない彼に、仕方なくこれまでのことを話しはじめた。

「柊也さんに、香水のにおいがするって言ったことがあったでしょ?」

「ああ。なんのことかわからなかったけどな」

そう言う柊也さんの表情からは、あの時と同様に、後ろめたさなんてものは少しも読み取れない。

「あの時、確かに女性ものの香水の香りがしたの。それに、コアクリエイトに行っているうちの社員が……女性が一人入社して、柊也さんとすごく親しげにしていたって話してた。一緒に食事とかに行ってるって」

私の話に身に覚えがあったのか、〝あっ〟という顔をした。
けれど、ひとまず私の話を聞こうと決めたのか、口を挟まず続きを促してきた。

「昨日はね、脱いであったワイシャツの胸元に、ファンデーションの汚れがついていた。そ、それに……」

なんだか浮気の追求をしているようで、後ろめたさを感じてしまう。でも、鋭い彼の目は、何一つ隠さず話せと訴えてくる。

「それにね、数ヶ月前から、柊也さん、帰ってくる前にどこかでシャワーでも浴びてきてたでしょ?ボディーソープの香りがしてたもの。ああ、そういうことなんだって気付いた」

ほんっと、浮気を問い詰める奥さんみたいだわ。なんだかバツが悪くなって、柊也さんの顔を直視できない。

書類上は夫婦なんだから、奥さんとして問い詰めることは、普通なら間違ってはいない。
けれど、私達は普通の夫婦とは違う。柊也さんが外で他の女の人と何をしていたって、それを咎める権利は私にはない。



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