子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「偶然居合わせた居酒屋で聞こえてきた話は、衝撃的だったな。結婚はしたくないのに、子どもは欲しいって」

「そ、それは……まさか、知り合いに聞かれてるなんて、思いもしてなかったし……」

改めて言われると、かなり小っ恥ずかしい。

「俺の連れなんて、それを聞いて立候補しようと声をかけるところだったんだぞ」

確かに、酔いに任せて明けすけにペラペラ喋っていたけど……
今思うと、明けすけどころか、かなりな発言を垂れ流していたかもしれない。

「もちろん、あいつに立候補なんてさせるわけがない。さっさと帰らせて、俺が名乗り出たってわけ」

柊也さんは、私の髪を優しく撫でながら続けた。

「体の相性も、ばっちりで問題なかったし」

おい、羞恥心!!
その情報は、心の内に留めておいて欲しかった。

思わず、柊也さんの腹部に一殴り入れた。
けれど、彼はどこかおかしそうに笑いながらこちらを見るばかり。私の一撃なんて、ものともしない。

「もうこの際、俺の嫁にしてしまえと、半分勢いで決めた」

「い、勢いって……」

それだけで決めていいことか?

「俺はさあ、いつでも自分の直感を信じて行動して、ここまで生きてきたんだ。だから、勢いとはいえ、紬となら一生幸せに暮らせるって、信じて疑わなかった。確信してたんだ」

勢い……
うん。なんか、この人はそうなんだろうなあって、妙に納得してしまう。

「紬、俺との暮らしは、幸せじゃなかったか?」

「それは……」

本心を言ってもいいのだろうか……

言い澱む私に、柊也さんはまるで素直になれよとでもいうように、顔を覗き込んでくる。こんな時も彼の顔はかなりなイケメンだ。


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