子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「けどさあ、なんだかんだ言って、俺ももう三十路なわけ」

「は?」

なにを、わかりきったことを堂々と言ってのけてるのか……

「だから、〝は?〟はやめろ!!」

三十路がなんだというのか?
私の反応を咎めつつ、躊躇いがちに話を続ける。

「最近、仕事が立て込んでたんだよ。俺の仕事はデスクワークだってわかってるよな?」

なんのことだろう?全く話が読めない。
これほど歯切れの悪い柊也さんも珍しい。不謹慎だけど、ちょっとおもしろかもって思ってしまう。


「……子どもを抱き上げたり、一緒に遊んだりすることを考えて、体力作りをしてたわけ。すっかり運動不足なおっさんになってたんだよ」

ふいっと顔を逸らしてるけど、耳まで真っ赤になっているのは隠しきれていない。
思わず〝可愛い〟って言いそうになるのをグッと堪えた。

「えっと……」

「わあーーーー。何も言ってくれるな。恥ずかしすぎるだろ!!」

そんなことないと思うけど……

「……あと、どんどんお腹が大きくなる紬を見て、ジムのついでに食事も済ませてこれば、作る手間が減るかと思って」

まさか、そんな気遣いをされてたなんて、思ってもみなかった。

「遅くに帰った時、座ってればいいって言っても、紬はなんやかんやと動いちゃうだろ?」

まあ、そうだけど……
でもそれは……

「柊也さんに、やってあげたいって思っちゃうから……」

「だあー。このタイミングで可愛いこと言うなよ」

柊也さんは、照れ臭そうに頭をガシガシとかいた。


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