子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「これからは、こんなもん用意する前に、なんでもその場で話せ。約束だぞ」

「う、うん。わかった」

私の返事に満足したのか、そのままチュッとわざとリップ音を鳴らしながら口付けされる。

「ははは。紬、真っ赤になってる。かあわいい」

だめだ……
私は一生この人に揶揄われて……愛されていくのだろう。



「俺から、一つ提案だ」

突然畏まる柊也さんにつられて、私もピシッと背筋を伸ばした。

「ちび助が生まれたらさあ、紬の両親にも会わせてやろうよ」

「え?」

「別に、許せとか仲良くしろなんて言わない。だけど、紬の今を見せるぐらいしても、バチは当たらないだろ?安心しろ。俺がついてる」

なにそれ……こんな突然に。

けど、なんとなくそのきっかけを探っていたのも確かだ。

「隣にいてくれる?」

「ああ」

「もし私が、心ない言葉を言いそうになったら、ちゃんと止めてくれる?」

「もちろん。まあ、紬ならそんなことないと思うけど」

「……ありがとう、柊也さん。ちゃんと、両親に会おうと思う」

私の返答に、柊也さんは嬉しそうに微笑んだ。










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