子作り契約結婚なのに、エリート社長から夜ごと愛し尽くされました
「紬、コーヒーいれるから、そこに座って」

私はなんでこの人の言う通りにしているのだろうか……
いや、まあね。なんとか動けるけれど、疲労感は半端ないし、体が怠い。足腰も痛いし、違和感もある。そんなんだから、素直に座ってしまった。

ソファーではなくて、ダイニングテーブルを示したあたり、ゆっくりまったりするつもりではないのだろう。されても困るけど。

橘さんはテーブルにコーヒーを置くと、おもむろにパソコンを開いた。

このタイミングで仕事をはじめるつもりなのだろうか?
ていうか、私は放置?

げんなりした表情のままちらりと視線を向けると、もうすっかり慣れてきた、あのわっるいニヤリ顔をされた。

「お試しは終わりだ。さっき俺を受け入れた時点で、契約成立だろ?」

「あ、あれは不可抗力です!!決して合意したわけでは……」

「あんなによがってたのに?」

「うぐっ……」

「なんなら風呂場でも……」

「わあーーーーー」

この人には羞恥心というものがないのだろうか?
どうしてこうも明けすけなのか……
経験値の差?相当場数を踏んでるとか?

「で、でも……」

「反論なんてするんだ。いいの?脱がないとわからない紬の黒子の位置について、世間話に織り交ぜても……」

「なっ、脅しですか!?」

「いんや。駆け引きだよ」


< 64 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop