Romantic Mistake!
「……あの、仁科さん」
私が確認を終えてあんみつに戻ると、彼は切なげな表情でポツリとつぶやいた。
「はい?」
どうしたんだろう。少し赤くなった顔で、ためらいながら私をちらちらと見ている。困った顔も素敵だ。
「その……なぜ、僕のためにここまでしてくれたんですか。飛行機で引き返してくださるなんて。本当に、ありがたいのですが……こんなに優しくしていただいたのは初めてで、なんだか信じられません」
「桜庭さん……」
彼は優しいと評判なのに、優しくされることには慣れていないのかな? 私はフフフと笑う。一生懸命な颯介さんの姿を見て、力になりたいと思っただけだ。改めて自分のボスと違いすぎて、涙が出そうになる。
「私、焦っているときに助けを求めたくなる気持ち、よくわかるんです。こういうのは困っていたらお互い様じゃないですか。強いて言うなら、桜庭さんの日頃の行いがよかったからですよ」
桜庭さんが自分勝手な人だっていう口コミばかりだったら、さすがに私もここまでしてあげなかっただろうし。
「仁科さん……」
彼は言葉に詰まりながら感極まっており、こちらまで感動が伝わってくる。へへ、いいこと言っちゃった私。