Romantic Mistake!
かわいらしく微笑んだ彼女は、サッと秘書さんがこちらへ運んできた原稿を受け取った。
「おーい、お疲れ様はお礼じゃないから。桜庭さんみたいにちゃんと頭を下げてありがとうございましたって言ってくれない?」とどつきたくなるのを我慢し、私はその様子を笑顔で見つめる。
原稿の束を手にすると、桃香さんはキラキラと目を輝かせた。
「すごいですわ……本当にユリウス編が読めるなんて。さすが颯介さん! ああ、早く読みたい!」
「うん。パーティーが終わったらゆっくり読んでいいよ。でもそろそろ準備をしないと」
「颯介さん、私、すぐに読みたくてもう一秒も待てませんわ。誰にも邪魔されずにお家に帰って読みたいので、やっぱりパーティーには出られません」
「なっ……なに言ってるんだ。困るよ、原稿を持ってきたらパーティーに出てくれるという約束だったじゃないか!」
桜庭さんの声はどんどん大きくなっていき、座布団から腰を浮かせている。ふたりの話が見えないが、また彼が困っていることだけはわかった。パーティーってなんだろう。