アオハルの続きは、大人のキスから
言葉を失う小鈴に、彼女はカードを差し出してくる。
「そして、小鈴さん。貴女に全部あげる」
「なにをおっしゃっているのですか?」
戸惑う小鈴を、彼女は憐れんだ目で見つめてきた。
「おりていただくのですもの。タダでなんて言わないわ」
「……」
「ああ、そう。あの白無垢だけど、ちょっと地味じゃない?」
カチンときて、小鈴は彼女を凝視する。だが、小鈴の怒りの目を彼女は見ていない。
「もっとなんとかならないの? ドレスみたいにビーズを施すとか」
言いたい放題の彼女の前に立ち、小鈴はキュッと襟元を直す。姿勢を正し、凜とした佇まいで彼女と対峙する。
「お客様」
「あら? これじゃあ納得していただけないのかしら? これだから庶民って抜け目なくていやぁねぇ。わかったわ。貴女が好きな物をお買いなさい」
「お客様」
静かに、それでいて威圧的な声で言う小鈴に一瞬面食らった様子の彼女だったが、すぐに噛みついてくる。
「なによ。私は客よ? 店員がそんな態度を取ってもいいわけ?」
たじろぐ彼女に一歩近づき、小鈴は怯みもせず口を開いた。