アオハルの続きは、大人のキスから


「本当に綺麗だ、小鈴」

「久遠さんも、格好いいですよ?」

 照れながら言う小鈴に目尻を下げたあと、手にしていた紙を手渡してきた。

「なんですか? ……え? これって」

 驚いて久遠を見上げると、彼はふんわりと優しくほほ笑んでくる。

「もう、籍を入れてしまわないか。本当の花嫁と花婿として今日の模擬結婚式を行いたい」

「久遠さん……!」

「小鈴を独り占めしたい、早く」

「で、でも……」

 さすがに籍を入れるとなれば、叔父夫婦に話さなければならない。そのことを久遠に言うと、先ほど彼が手渡してきた紙を指差した。

「それ、よく見てみろよ」

「え? あの、これ……!」

 久遠が手渡してきたのは、婚姻届だった。それも、証人の欄には山野井の文字が。叔父の筆跡で間違いない。

「小鈴の叔父さんに書いてもらった」

「書いてもらったって……。うちの叔父と面識があるんですか?」

「やっぱり覚えていないか」

「え?」

 なんのことを言っているのかさっぱりわからないでいる小鈴に、久遠はモール前で久遠と俊作を置いて逃げたそのあとのことを知らされる。


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