アオハルの続きは、大人のキスから

 俊作はいつもと様子が違っていた。彼の言葉が次から次に小鈴を責めていくが、嘘であってほしいと願うしかできない。

 兄のように慕っていた俊作が、まさか――

 小鈴に対して過保護すぎるのではないかと思うほど、俊作はいつも小鈴の傍にいてくれた。だが、その優しさは、兄のような感情ではなかったのか……

 俊作の気持ちには応えられない。それだけは、わかっていることだ。しかし、先ほど言われた言葉が小鈴の脳裏にずっと渦巻いている。

「苦しむ未来が見えているってどういうことなんだろう」

 パタパタと草履の音を立てつつ人が少ない通路を小走りする。

 久遠への嫉妬心で言っただけなのか。それとも、そう言い切れる理由が存在しているのか。

 どうしようもない不安が押し寄せる小鈴だったが、後日俊作の言葉がどれも嘘ではなかったと思い知らされることになる。


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