アオハルの続きは、大人のキスから
叔父たちには、いつか恩返しがしたいとずっと思っている。小鈴ができることといったらさほどないが、呉服屋山野井の店員として少しでも店に貢献できるよう努めている。
でも、それだけでは足りない。それほどたくさんの愛を叔父たちには貰っている。
感謝の気持ちを抱いている小鈴に、叔父は手招きをして声をかけてきた。
「小鈴、母屋の方に来てくれるか」
「え? う、うん」
店先で話さないということは、なにか重要な話なのだろう。掻き消していた不安が、再び浮上してくる。
従業員に店を頼んだあと、叔父について母屋の方に行くと、そこには誰もいなかった。叔母さえもいない状況に戸惑いしか浮かんでこない。
「そこに座りなさい、小鈴」
「はい。あ、えっと……お茶でも入れる?」
なんとも重苦しい空気に音を上げた小鈴はお茶を入れようと立ち上がったが、叔父は首を横に振る。
「今はいい。とにかく座りなさい。大事な話がある」
叔父の様子を見て、ただ事ではないと気がつく。小鈴は神妙な面持ちで叔父の前に正座をすると、叔父は真顔で言い出した。
「小鈴、うちを継いでくれないか」
「え……? うちって、店をってこと?」
「そうだ」
顔を上げた叔父の表情を見る限り、嘘や冗談で言った様子ではない。本気だ。
呆然としている小鈴に、叔父はさらに驚愕なことを言ってくる。