アオハルの続きは、大人のキスから


「どうして、女の子が迷子になっているって気がついたんですか? 私、彼女の泣き声が聞こえなかったんです」

 この店の中では、ピアノの自動演奏が響いていて、外の音は聞き取りづらい。それなのに、どうして久遠は気がついたのだろう。

 すると、久遠は小鈴に笑いかけたあと、二人の前にあるガラス窓を指差した。

 久遠と小鈴は隣同士に座る形になり、ガラス窓に向いている。景色を一望できるように計算されているのだろう。しかし、そのガラスになにかヒントがあるのだろうか。

「ガラス越しに、店の外が見えないか?」

「あ……!」

 確かにガラス越しに、店の出入り口が見える。ちょうど先ほどの女の子がいた位置が見えた。

 店内は照明が抑えられていて暗めに設定されている。そして、外は雨模様で光りが差してこない。だからこそ、ガラス越しに映るものが見えたのだ。

 納得する小鈴に、久遠は困ったようにほほ笑む。


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