アオハルの続きは、大人のキスから
「お前はこの創業八十年という歴史ある呉服屋山野井の番頭である私の姪だ。後ろ盾はあるだろう? もちろん、旧財閥家と並ぶほどの家柄かと言われれば残念ながら足元にも及ばないだろう。だけどな、小鈴。お前には、コネクションがたくさんあるはずだ。立派な武器になる」
「コネクション……」
小さく呟いた小鈴に、叔母はポンと手を叩いて叔父に同意した。
「そうよ、小鈴。貴女には山野井の後ろ盾とは別に、お得意様たちの後ろ盾があるわ。小鈴に好意を持って縁談を持ちかけてきたご婦人たちは、旧財閥家と肩を並べる方たちばかりじゃない? 今も尚、諦めていないご婦人たちはたくさんいるのよ? それに、小鈴目当てで山野井に来るお客様が多いこと。知っているでしょう?」
「叔母さん」
「貴女には、たくさんの味方がいるわ。お得意様のご婦人たちにお願いすれば、小鈴の味方になってくださるはず。皆さん、小鈴をかわいがってくださっているもの」
「そうだといいな……うん、ありがたいことだよね」
後ろ盾うんぬんは置いておき、小鈴を贔屓にしてくれているお得様は多い。皆に見守られている。それを再認識して胸の奥が温かく感じた。