極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
普段全力で遠慮されている彼女に頼られているようでちょっと嬉しい。
「今日は……楽しか……た」
無邪気な顔でそんな言葉を口にする彼女を見て何か胸に温かいものが込み上げてきた。
「寝ちゃったな」
そう呟きながら彼女の身体をずらして膝枕し、脇に置いていたスーツのジャケットを彼女にかける。
「お前たちはまだ何か食べるか?」
にこやかに滝川と朝井に声をかけたら、ふたりが俺をじっとりと見た。
「怪しいと思ったんだ。やっぱり出来てるだろ、お前と藤原さん」
「『優』って藤原さん部長のこと呼んでましたよね?一体どういう関係ですか?」
梨乃はうちで同居はしているが恋人ではない。
「第二の兄ってだけで付き合っていない」と言おうとしたら、部屋の戸がガラガラッと開いた。
「あれ?優?部屋間違えたな」
現れたのはうちの会社の社長の沖田光弘。
ちなみに俺の叔父でもある。
「役員と飲み会ですか?」
社長にそう声をかけると、彼は赤らんだ頬で頷いた。
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