極上御曹司に初めてを捧ぐ～今夜も君を手放せない～

「そうですよ。藤原さんと真剣に付き合ってるんじゃないんですか！藤原さんは遊んでいい相手じゃないですよ！」
朝井も凄い剣幕で俺を責める。
「ふたりとも落ち着け。俺は藤原とは付き合っていない」
なだめるように言って事実を伝えるが、まだ滝川は信じていないようでスーッと目を細めた。
「つまり真剣交際じゃなくて遊びだと？」
「勘違いするな。親友の妹を弄ぶような真似はしない」
滝川の言葉をすぐに否定したら、今度は朝井が名前の件を追及してきた。
「じゃあ、何で藤原さんは部長を下の名前で呼んでるんですか？」
「実は先週、藤原の家に空き巣が入って、彼女をうちにしばらく置いてるんだ」
俺の話にふたりは目を大きく見開いて素っ頓狂な声をあげた。
「空き巣〜！」
「シッ。声が大きい。ただの泥棒ならまだいいんだが、何度も彼女の家に侵入しているようで、ストーカーの可能性もある。まだ捕まっていないから安全のために俺のところに来てもらってる」