極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
優のご家族?
「……はい」
相手の勢いに気圧されつい返事をするが、わけがわからなかった。
「あ〜、これでうちの会社も安泰じゃ。今度食事でもしよう。梨乃さんはしゃぶしゃぶは好きかな?」
とびきりの笑顔で老人に問われ、「はい。好きです」と答えたら、秘書室の朝井さんが早足でこちらにやって来た。
「会長〜、探しましたよ。勝手にいなくならないでください。もう役員は皆集まっています」
「すまん、すまん。それでは梨乃さん、近いうちにまた会おう」
老人……いや会長はにこやかに手を振って朝井さんと一緒にこの場を去っていく。
朝井さん『会長』って言ってたよね?
会長ってうちの会長?
それに、あの老人は優のことを親しげに名前で呼んでた。
それって……。
「あの滝川さん……今の方は?」
滝川さんに先程の老人のことを尋ねたら、私の予想通りの言葉が返ってきた。
「うちの会長の沖田恒春だよ。あんま会社に来ないから顔見てピンとこなかっただろうけど」
見覚えがあったのは社内報やニュースで見ていたからだろう。
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