極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
何度も身体を洗って、脱衣所でバスタオルを身体に巻きつけて洗面台の鏡を見た。
青白い顔をしてとてもひどい顔。
腕には課長の指の痕がくっきり残っている。
多分課長に襲われた時間は三分もなかったはずなのに、もっと長く感じた。
もし、優と滝川さんが現れなかったらどうなっていただろう。
そんな想像をしただけでゾクゾクと寒気がして、床に座り込んで自分の肩を抱いた。
どれだけそうしていたのだろう。
身体は冷たくなるばかりでブルブル震えていたら、コンコンとノックの音がした。
「梨乃?大丈夫か?」
優の問いかけにもすぐに言葉が出てこない。
何の返事もないので変に思ったのか、優がドアを開けて入ってきた。
床に座り込んでいる私を見て、彼は棚にあるバスタオルを掴んで私の濡れた髪を拭く。
「こんなに震えて……。風邪を引くじゃないか」
「……ごめん……なさい」
「髪乾かすから、椅子に座ろう」
優は俯きながらか細い声で謝る私の腕を掴んで近くの椅子に座らせ、ドライヤーで丁寧に私の髪を乾かした。
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