極上御曹司に初めてを捧ぐ~今夜も君を手放せない~
兄が長財布から五万円抜いて私に差し出す。
「いいよ。私も働いてるし」
断るが、兄は強引に私の手にお金を握らせる。
「いいから受け取っておけ。兄ちゃんにもいいカッコさせろよ」
二パッと笑う兄を見てまた涙が込み上げて来た。
「お兄ちゃん、イギリス行ってもあんまり夜更かししちゃダメよ」
兄は集中して仕事をしていると時間を忘れて文献を読み漁る。
「うん」
「ちゃんとベッドで寝るのよ」
「うん」
「食事するの忘れないでね」
思いついたことを言うが、兄はニコニコしながら返事をした。
「うん。お前もあんまり頑張り過ぎるなよ。何かあったら必ず優を頼れ」
兄はクシュッと私の頭を撫でて北條さんに目をやる。
「そうそう。第二の兄だから、どんな我が儘でも聞くぞ。この年になって妹が出来るとは思わなかったが」
北條さんと滝川さんのコンビも息がピッタリと思ったけど、このふたりも相当仲がいいのだろう。
同じノリで私を弄る。
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