冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
待っているの言葉に喜ぶ自分はなんて単純なんだと自嘲しながら、指は素早く返信を作成していた。

【体の調子はどうなんだ?】

【順調で出産準備もしっかり出来ています】

【買い物があるなら検診の帰りに行こう】

顔を合わせていないからか、気負わずに誘うことが出来る。それは奈月も同様なのか、親しみを感じる返事が届いた。

【ありがとう。迷っていたバウンサーをやっぱり買いたいと思っていたの】

無意識に和泉の頬が緩む。

【分かった。他に何かあるか?】

【今のところは大丈夫】

【父と姉に何か言われていないか?】

父が奈月に強い言葉を言う可能性は少ない。亜貴ははっきり物を言うが一応筋は通っているし、奈月の体調をそれなりに気にしているので、無茶はしないだろう。しかしそうは思っていても心配だったので質問した。

【心配してくれてありがとう。みんなに信用して貰えるように頑張っているところです。この前、亜貴さんにクリスマスディナーに招待して貰ったの】

奈月が前向きに過ごしていると知り安心した。しかしクリスマスディナー?

和泉は眉を顰めた。妊娠中に慣れない社交など気疲れして良くないのではないか。
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