冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
「ショックでしょ? さすがにこれは奈月に言ったら駄目だってお母さんには言われてたけど、奈月が悪いのよ? 私に恥をかかせるから」

「…………」

「何で黙ってるの? 何か言いなさいよ」

茫然とする奈月に、愛理が迫って来る。肩を掴まれたそのとき、「奈月!」と慌てたような声がした。

「え? 和泉さん! 帰られたんですね」

愛理が高い声を上げる。しかし和泉は愛理には見向きもせずに奈月の様子を窺った。

「どこか痛むのか? ずいぶん顔色が悪いが」

「和泉……そうじゃなくて……ただ驚いて」

実際はそんな言葉では言い表せない衝撃を受けている。

「驚く?」

和泉が眉を顰めたが、今の奈月には説明する気力がなかった。

「和泉さん! 会えてよかったです、私話があって」

愛理がじれたように和泉の腕に手を伸ばす。その手を和泉はすげなく振り払った。

「今日はこのまま帰ってくれ」

「え、どうして?」

「奈月を休ませる。愛理さん、あなたは奈月の親族だから口出しをして来なかったが、しばらくは奈月との付き合い方を控えて欲しい」

「な、なんでそんな酷いことを言うの?」

余程ショックを受けたのか愛理の声は震えている。
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