冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
「まだ具体的な話はまとまっていなかったが、良い方向へ向かっているところだった。それをお前は横から入り込み悪戯にかき回している」

「悪戯だなんて、違います。私たちはその縁談が持ち上がるより前から……」

「黙れ! もし先に付き合っていたのだとしても和倉家にとって害だというのが分からないのか?」

忌々しそうに吐き捨てられ胸が苦しくなり奈月はそっと目を伏せた。

(私たちの関係が害だなんて……)

本当に真剣に彼を想っている。彼の立場を理解しているし、自分ではつり合いが取れないと分かっているけれどそれでも一緒に生きて行きたいと思ったのに。

(和泉が好き……罵倒されたって諦められない)

ぐっと手を握り締め、奈月は叔父に向き直った。

「叔父様。私は和泉さんとの結婚を諦めるつもりはありません」

奈月が反抗したのが許せなかったのか、叔父の顔が怒りで赤くなった。

「これまで育てた恩を忘れて逆らうつもりか?」

「違います……でもこれだけは譲れないんです。他には何も望みませんから」

両親が亡くなったとき、保険金などある程度まとまった金額の相続があった。
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