冷徹旦那様との懐妊事情~御曹司は最愛妻への情欲を我慢できない~
未成年だったため祖父母が財財産管理人になり、祖父母が亡くなった後は、叔父がその役割を引き継いだ。

手続の際は不正がないように第三者が入っており奈月が成人した際にはかなりの資産を受け取る予定だった。

しかし手続上はそうでも実際は違う。奈月が二十歳を過ぎても社会人になっても資産は叔父が握り任せて貰えなかった。

法的にも税務的にも問題があるだろうが、何事にも抜け道はあるそうだ。

きっとこれから先も渡しては貰えないのだろう。

でもそれでも良かった。奈月が欲しいのは和泉との自由な未来だけなのだから。

叔父は奈月の決意が固いのを察したのか、口を閉ざした。

それまでの激高は鳴りを潜め、虚ろな目で奈月をみつめている。

(叔父様のこの目、好きじゃない)

前から怖いと思っていた。何を考えているのか読み取れない為か、何とも言えない不気味さがある。

沈黙が続き、息苦しさを覚えたとき叔父が呟いた。

「お前の両親も俺の頼みを聞き入れてくれなかった」

「……お父さんとお母さんが?」

なぜ急に亡くなった両親の話になるのだろう。

(そう言えば昨日愛理も突然お父さんたちの話をした)
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