王子なドクターに恋をしたら
「ん?どうした?」

「ん…何でもない」

そう言いつつ、視線を向けてくる女性達に彼はあたしの恋人なのよ!と、視線で牽制していた。

和泉くんは日本人離れした容姿に加えめちゃくちゃカッコイイから目立つのは当然で、あたしは大人げ無いヤキモチを妬いた。
それに彼の恋人はあたしなの!とちょっとは自慢したかった。

腕に頬を付けすり寄ると和泉くんが愛しそうに微笑んであたしの頭を撫でてくれたおかげで、女性達は羨望の眼差しを残しながらそそくさと去っていった。
ひとり上機嫌で優越感に浸ってるとクスリと笑った和泉くん。

「千雪の笑顔はラベンダーみたいに癒されるね」

「え?」

「ラベンダーは癒し効果があるからね、火傷の治癒効果もあるって言うから千雪にぴったりだ」

「…ちゆき、だけに、治癒効果?」

「そう」

「ぷはっ…!」

和泉くんの口からダジャレが出て来るとは思わなくて思わず吹き出してしまった。
おかしくてお腹を抱えて笑ってると和泉くんが拗ねた顔をする。

「真面目に言ったんだけど?」

「ははっ…ああごめんごめん。和泉くんがそんなこと言うと思わなくって…んっごほごほっ…」

「ほら、そんなに笑うから…」

笑い過ぎて治まってきたはずの咳が出てしまってゲホゲホとむせてしまった。
和泉くんに背中を摩ってもらってやっと落ち着くと顔を上げて滲んだ涙を拭った。

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