王子なドクターに恋をしたら
忙しない心臓をどうにか落ち着け明日逢う約束をした。
店の前に到着すると和泉くんは、ここなんだね。と、錆びついた看板を見上げた。
ちょっと恥ずかしい気もしたけどあたしはこの寂れた感じも雰囲気あって好きだからうんと、にっこり笑って和泉くんを見上げる。
あたしより頭一つ分背が高くって上を見ていた和泉くんの男らしい喉仏が見えてまたドキドキしてしまう。
和泉くんはゆっくりと顔をあたしに向けてにっこり笑う。
「じゃ、明日迎えに来るね」
「う、うん」
「おやすみ」
手を上げて行こうとする和泉くんにマフラーのことを思い出したあたしは慌てて呼び止める。
「いっ和泉くん!マフラー!」
「あ、忘れてた」
振り返った和泉くんが苦笑いで、急いで外したマフラーを受け取った。
それをくるっと自分の首に巻いてあたしを見おろす。
「千雪の体温が残ってる。あったかいね」
どきっ!とまた心臓が跳ねた。
和泉くんはワザと言ってる?
ドギマギするあたしをおかしそうに笑って見てる。
何も言えなくて赤くなってるだろう頬を隠すように自分のマフラーにうずまった。
するとふわっと頭の上に和泉くんの手が乗った。
「…じゃあ、今度こそおやすみ」
「う、うん。おやすみ」
ぽんぽんと頭の上で弾んだ手は離れて行き、ゆっくりと離れると和泉くんは今度こそ帰って行った。
店の前に到着すると和泉くんは、ここなんだね。と、錆びついた看板を見上げた。
ちょっと恥ずかしい気もしたけどあたしはこの寂れた感じも雰囲気あって好きだからうんと、にっこり笑って和泉くんを見上げる。
あたしより頭一つ分背が高くって上を見ていた和泉くんの男らしい喉仏が見えてまたドキドキしてしまう。
和泉くんはゆっくりと顔をあたしに向けてにっこり笑う。
「じゃ、明日迎えに来るね」
「う、うん」
「おやすみ」
手を上げて行こうとする和泉くんにマフラーのことを思い出したあたしは慌てて呼び止める。
「いっ和泉くん!マフラー!」
「あ、忘れてた」
振り返った和泉くんが苦笑いで、急いで外したマフラーを受け取った。
それをくるっと自分の首に巻いてあたしを見おろす。
「千雪の体温が残ってる。あったかいね」
どきっ!とまた心臓が跳ねた。
和泉くんはワザと言ってる?
ドギマギするあたしをおかしそうに笑って見てる。
何も言えなくて赤くなってるだろう頬を隠すように自分のマフラーにうずまった。
するとふわっと頭の上に和泉くんの手が乗った。
「…じゃあ、今度こそおやすみ」
「う、うん。おやすみ」
ぽんぽんと頭の上で弾んだ手は離れて行き、ゆっくりと離れると和泉くんは今度こそ帰って行った。