王子なドクターに恋をしたら
「え?それってまさか…」

逢いたい逢いたくないの話にあたしが怒って次の日和泉くんが逢いに来てくれた時の事を言ってるの?

流星さんってば!笑い話じゃないですよ!と叶ちゃんはあたしを気にしてお兄さんを窘めてる。
お兄さんは悪い悪いと笑いで溜まった涙を指で拭いている。
和泉くん一体クールそうなお兄さんをこんなに笑わせるほど何をしてるんだと思わずツッコミたくなった。

結局は時間も時間だし飛行許可も下りないとうことで和泉くんは朝を待って早朝に秘書兼パイロットの梶原さんを呼び出しヘリで斗浦部に向かったという。
簡単に言うけど結構遠いよ…。
昨日梶原さんがお小言のように私を酷使すると言っていたのはこのことだったんだ。

ただの痴話喧嘩だったのにこんな大事だったなんて始めて知った。
和泉くんはなんにも言ってくれなかったんだもん。

「なんか…その、ごめんなさい」

「いや、君が謝ることは無い。彼女を悲しませたままに出来ないと和泉がそこまで行動したことに俺は驚いたんだ。あんな必死な顔は始めて見たからな。ま、それだけ君のことは本気ということだ。だから和泉を信じてやってほしい」

そう締めくくったお兄さんは穏やかで優しい笑顔を見せてくれた。
その笑顔が和泉くんに似ていてついドキッとしてしまった。

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