王子なドクターに恋をしたら
「黒崎さんとのことは約束ってほどじゃなくて、ちゆに触れない抱かないって言うのは、僕自身に課した試練みたいなものだよ。それに僕の気持ちの問題もあるって言っただろ?」

何よ、試練って!勝手に決めないでほしいわ!と頭に血が上りそうになった。
けど頭を冷やすとも言ってたのは確か。
それはもしかしてあたしとの別れを予感させるもので不安だったんだ。

「その気持ちの問題はどうなったの?」

「それは…まだ、もう少し待ってて」

「なによそれ…」

まだ曖昧なままあたしを不安にさせるのか。

「…ねえ、和泉くん、あたしの事好き?」

「うん好き」

そこは即答ですか。
思わずコテンと頭をもたげて苦笑いが零れる。
そこに首筋にふわっとキスが落された。

「ちゆは?僕の事好き?」

「…好きに、決まってるじゃない」

あたしを不安にさせる和泉くんにイジワルして嫌いって言ってやりたかったけど、やっぱり言えない。
だって大好きなんだもん。

ふっと笑った吐息が首元に触れる。
抱きしめてた腕が緩められ振り向かされる。
愛おしげに細められた瞳は泉のように澄んだブルー。
引き寄せられるように近づいてくる唇。
頬に熱が籠る。


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