王子なドクターに恋をしたら
「え?流星さんと結婚した理由ですか?」
突飛も無い事を聞かれて叶ちゃんは目を丸くした。
病院の待合室。
仕事帰りに妊婦検診を終えた叶ちゃんを迎えに行き会計を待つ間甥っ子の來翔をあやしながら叶ちゃんに聞いていた。
「どうしたんですか?急に。あ、もしかして彼女さんと結婚しようと思ってるとか?」
「いや、何となく聞きたかっただけ。何でみんなそう思うの?僕が結婚できると思う?」
「どうしてそう思うんですか?和泉さん結婚したらきっと幸せだと思うんですけど」
「出来るわけないよ、結婚なんて考えられなくて前の彼女と別れたくらいなんだから」
肩を竦めると叶ちゃんはまた驚いた顔をする。
僕の恋愛事情を知らない叶ちゃんはそんなことがあったんですか…と僕の顔をまじまじと見た。
「その方とは、運命の赤い糸で結ばれてなかっただけじゃないですか?」
「運命…?」
「私、流星さんに結婚しようって言われるまで、結婚なんてできないって思ってたんです。ただ私の一方的な片思いでそのまま一生終わるのだと思ってました。でも、流星さんは私を選んでくれた。奇跡だと思いました。でも、私と流星さんは運命で結ばれてたんだって今なら思います」
兄さんと叶ちゃんの関係をずっと見てきた。
あの人を寄せ付けない兄さんが叶ちゃんだけは手元に置き大事にしていた。
そして今、結婚してもうすぐ二人目の子供も生まれる。
この僕から見ても幸せそうな二人の出会いが運命というのならそうかもしれない。