王子なドクターに恋をしたら
家に帰ってゆっくりと千雪と話しをしようと思っていたのに、鉢合せした先輩方の誘いに千雪が頷いたためにラウンジへと行くことになった。
そこには紘子さんもいて僕にとっては居心地悪い状況だ。

ここ最近何か言いたそうな紘子さんをあえて僕は避けていた。
やっぱり一番長く付き合っていただけに僕も気を使う。
そのお蔭で周りに気を遣わせてるのも分かっている。
紘子さんが席を外しホッとしてるところに伊藤さんが千雪の前で紘子さんの事を聞いてくるから窘めた。まったくへデリカシーの無い人だ。
千雪はきっと勘付いてるだろうけど、もう過去の事だ説明する気はなかった。
そんな時に兄から電話が来て後ろ髪を引かれる思いでその場を離れた。

電話を終えて振り向くとそこに紘子さんがいた。

「ねえ、和泉…くん」

「紘子さんその呼び名は…」

何故か再開した後から紘子さんは気安く呼び捨てに出来ないからと僕を和泉くんと呼ぶようになった。
千雪もそう呼んでいるのに同じ呼び方をされるのは違和感しかない。
和泉くんと呼ぶのは千雪だけにして欲しい。
窘めても聞く気はないらしい紘子さんは話しを続ける。

「可愛い彼女ね…今まで付き合ってた人達と全然違う…」

「何が言いたいんですか…?」

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