極上御曹司と授かり溺愛婚~パパの過保護が止まりません~
「朔也くん、次回はうちに泊まっていきなさい。ゆっくり酒を酌み交わそうじゃないか」

「次はそうさせてください。明日は予定が詰まっているので、今夜は残念ながらこれで」

 彼は手もとのウーロン茶のグラスを手にした。

「郁美と良幸くんは泊まっていくんだろう?」

「ううん。ホテルを予約してあるから」

 姉は東京駅近くの外資系高級ホテルの名前を言う。そこのアフタヌーンティーはSNSで有名で、私もそれを目あてに何回か行っている。

「そうか。残念だな。母さんが布団を干していたんだが」

 姉は母に申し訳なさそうな顔を向ける。

「お継母さん、ごめんなさい。今朝こっちへ来ようと思い立ったから、連絡が遅れてしまったわ」

「いいのよ。あそこのホテルならゆっくり楽しめるわね。滞在はいつまで? また食事に来られるかしら?」

 姉にとっては継母だけど、仲はいいふたりだ。母はおなかを痛めて産んだ私と姉を分け隔てなく育ててきた。

「そうね、一週間の滞在予定だけど一度くらいはまた顔を出すわ」

 姉は良幸さんにニコッと笑みを向けた。

 母の手料理でおなかがいっぱいだったが大好きなケーキは別腹ということで、朔也さんに笑われながら、みずみずしいシャインマスカットと生クリームを頬張る。

 甘いものがあまり好きではない朔也さんもおいしいと言ってくれた。

「フィリピンはフルーツがおいしいけれど、日本はこういったケーキが最高よね。生クリームやスポンジが絶品だわ」

 良幸さんはケーキ類が苦手とかで口にしなかったが、姉も気に入ってくれてホッと安堵する。
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