罪か、それとも愛か
※※※

冬輝は、本のページをめくる手を止めて一つ大きく息をついた。
レポート提出の為の資料だが、全然頭に内容が入ってこない。
時計は22時を回ったところだ。
机の横の窓のカーテンをつまんで、外を見る。
隣家の一条家は、門灯の灯りしかついていない。屋敷は真っ暗で、静かに住人を待っている。威圧感さえまとってそびえる、無人の城のようだ。

ーーまだ、帰ってないのか。

医学部進学を辞めると決めてから、琴羽が変わった。
『一条』の為に生きると、自分の道の行先を決めた。その道を進む方法を模索して、一つでも多くのスキルという名の武器を身に付けるべく、がむしゃらに頑張っている。

そんな琴羽に、突き動かされた。

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