罪か、それとも愛か


冬輝はずっと翔太とまこと、そして琴羽を見てきた。
一条家の一族に周囲は尋常じゃない期待をかける。翔太もまことも琴羽もその期待を裏切らぬよう、人知れず血の滲むような努力をしていた。

一条家の宿命とでもいうべき背負う物の大きさと葛藤を、冬輝は近くで見て知っている。

翔太はいつも笑顔の裏側で、『一条』の人間としてどうあるべきかが念頭にある。それは時に自分を押し殺さなければならないほどの強い使命感だ。
冬輝の父洸平はいつも親友として寄り添い、そんな翔太を支えていた。スーパードクターと賞賛される父も翔太がいてくれることでその能力を最大限に発揮できる。


互いに絶対的な信頼を寄せる二人に育てられ、冬輝も心に決めている。


何があっても琴羽を支える、と。


たぶん、自分はその為に琴羽より早く生まれたのだ。琴羽が冬輝のいない世界を知らないように。生まれた時から絶対的な味方がある世界で、重い運命を背負っていけるように。


どんな形でも琴羽が必要とする形で支えていく。冬輝の強い使命感にも似た思いを、琴羽は気づいていない。
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