罪か、それとも愛か
噂のパンケーキが運ばれてきた。
そのインパクトある見た目に、萌音は夢中で写真を撮る。
周りを見れば女の子達はパンケーキをあらゆる角度から写真に収め、スマホをいじっていた。


「やっぱりスゴイねー!ね、琴羽、そっちから写真撮って。SNSにアップする用だから、顔も入れてね」


萌音のリクエストに合わせて、琴羽は写真を撮る。萌音の満足できる写真が撮れるまで、何度も。


「ありがと、琴羽!良いのが撮れたー!まず、零次に送って…」
「萌音、私、先に食べ始めていい?」
「うん」

なかなか食べ始めない萌音に痺れを切らし、琴羽はパンケーキにフォークを刺した。


甘い。クリームは脂っこく、ひたすらに甘い。パンケーキは粉っぽさが残っている。フルーツは安いものなのだろう、香りも弱くただの飾りだ。


2、3口にして、琴羽はフォークを置いた。


ゆっくり店内を見渡せば、パンケーキを完食している人は少ない。
量の多さもあるが、これは、ひどい。見た目のインパクト重視、味は二の次。


萌音がスマホを操作しながらフォークでフルーツをつついて口に入れた。


「琴羽、食べないの?」


フォークを置いたきり手に取らない琴羽に萌音が首をかしげた。


「甘くて」
「わかる!チョー甘いね。カロリー高そうだし。太りたくないから私もこの辺で止める」


結局、写真映えだけを目的に作られたメニューなのだろう。これでは珍しさに人は集まるが、続かないに違いない。

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