罪か、それとも愛か
「それは違う。
俺は自分の意思で琴羽を抱いた。琴羽だけが背負う罪じゃない。
俺は流されていただけで、結局宮崎へ特別な感情は生まれなかった。もっと早く別れるべきだったのに、あの思い込みの強さに負けてずるずる関係を切れずにいた。
まさか琴羽に八つ当たりするとは、思いもしなかった。俺が悪い。罪を問われるべきは俺なんだ。琴羽は何も悪くない」

いつもの穏やかな微笑みがつくれない。
冬輝は後悔の念を濃くにじませ落ち込んだ。

「そんな顔しないで、冬輝。
愛紗ちゃんは医者の妻になりたかっただけだった。冬輝じゃなくてもよかったの。
私、冬輝を利用しようとする人にそばにいてほしくない。
だから、もう悪いなんて思わないことにする。
かえってせいせいしたわ」

琴羽はそう言って、冬輝に笑顔を向けてくれた。
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