罪か、それとも愛か

琴羽は周囲を観察する。近くにいるのはVIP専門の護衛と若手議員のグループ。聞かれたところで、害はない。


「琴羽なんだよな?」

五嶋は周りなど気にする様子もない。親たちから離れたことでホッとしたようで、いつものように話しかけてきた。

「そうよ」
「どういうこと?ってか、お前があの一条の一族だなんて、信じられねぇ。毎日バイトばかりの苦学生なんだと思ってたのに」
「毎日バイトは嘘じゃない。仕事を実践で学んでる」

琴羽もいつもの口調で話し出す。

「まさか、一条のお嬢様だったとはなぁ。教えてくれても良かったのに」
「五嶋くんだって、自分のお家のこと話さないじゃない?一緒よ」

零次は小さく口元を歪ませて笑った。

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