罪か、それとも愛か
琴羽の足が地面を蹴り、犯人の足をすくう。

「うわっ」

体制を崩したそのタイミングを見逃さなかった。

マリアが爆弾の起動装置を持つ手を蹴り上げる。
バランスを崩した犯人から、近くの男性SPが千鶴を救う。
何一つ打ち合わせなどない。それでも皆がとっさに連携を見せた。プロの仕事のなせるワザだ。

「クソッ」

犯人が目を釣り上げ、ナイフを琴羽に向かって振り上げる。
だがナイフを振り下ろすより先に、琴羽の回し蹴りが見事に犯人の背中に入った。

「うっ」

犯人が痛みに体をよじらせた隙に、琴羽は腕を掴み捻り上げた。
ナイフが小気味いい音を立てて床に落ちる。
琴羽はハイヒールでそのナイフを踏みつけた。


その隙に花音は小柄な体をいかして人々の間をすり抜け、出入り口のドアを開ける。
待機していた警察の特殊部隊が雪崩れ込んできた。


拘束された犯人をとらえようと、マスコミが一斉にフラッシュをたく。

「あーははは!俺がヒーローだ。俺がこの国を変える。お前らみんな、死ね!」

カメラを向けられていることに気づいた犯人は大笑いをしている。警察に両脇を抱えられながら、パーティ会場を振り返り、琴羽に向かってウィンクまでしてきた。
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