罪か、それとも愛か
「これから爆発物の処理をします。ご退室願います」
警察がパーティ会場からの退室を促した。
「後は警察に任せよう。
マリア、車の手配を頼む。混乱がひどくなる前に花音を帰したい」
拓人に背中を押され、パーティ会場を出た。
「犯人のあの余裕に満ちた不敵な笑み。恐らくはリモコン操作だけじゃなく、爆弾にはタイマーや、何かの衝撃で爆発するような仕掛けが施されているんじゃないかな」
「花音なら、どこに爆弾を置く?」
「もちろん壇上よ。必ず挨拶するために上がるんだから一番確実」
琴羽は花音と会話をしながらも、緊張の糸を緩めない。
ロビーはマスコミとパーティ出席者でごった返している。マスコミは居合わせたSP達に押さえられてはいるが、カメラが遠慮なくこちらをとらえている。
マイクを向けられた五嶋社長がインタビューに答えている姿も視界に入った。
ほとんどの出席者は騒がれたくなくて、マスコミを避けているというのに。
目立ちたがりなのだろう。
「休憩用に部屋を用意してくれるそうだ。花音の迎えが来るまで休ませてもらおう。マリア、念のために翔太に連絡も。気分が悪くなった人がいるかもしれない」
マリアが拓人の指示に従い翔太に電話をする。
琴羽は拓人と花音をマスコミから守るようにして歩き出す。
ごったがえす人の中、細心の注意を払いながらロビーを進む。
その時、不意に違和感を感じた。