罪か、それとも愛か
「五嶋か…琴羽の相手に悪くないな。
あいつ次第では婿候補にあげるか」
翔太は、ちらりと冬輝を見ながらつぶやく。
ーーここで、やきもちの一つでも焼けば可愛げがあるけれど。
冬輝は去っていく五嶋のことなど見てもいない。自分のジャケットを脱いで琴羽の肩にかけてやっている。
その目線は琴羽にしか注がれていない。
ーー全く意に介せずかよ。琴羽しか見えてない。余裕というより盲目か。
「残念、冬輝くんは翔太の誘導には引っかからないな」
「ちえっ」
「翔太おじさまも諦めの悪いこと。さっさと二人くっつけてしまえばいいのに」
「やだよ」
不貞腐れたように口を尖らせている翔太に、拓人と花音は顔を見合わせて小さく笑う。
拓人も花音も翔太が琴羽と冬輝をくっつけるつもりでいることを知っている。ただ、可愛い一人娘を手放しで冬輝に渡すのが面白くないのだ。