罪か、それとも愛か
「冬輝くんって、いつもそのジャケット着てるね」
琴羽の羽織ったジャケットを見て花音が言った。
「普段からショウさんの手伝いで急にきちんとした場に行く機会が多くて。とりあえずこれ羽織ればしのげるからって琴羽が選んでくれた、俺の一張羅なんだ」
「ふうん、琴羽が選んだんだぁ」
冷やかしを込めて花音は琴羽を覗き込んだ。琴羽はいつもと変わらぬ表情ではある。だが。
「冬輝くん」
「ん?どうした、花音ちゃん」
冬輝の腕をくいっと引っ張るとしゃがみ込んでくれた。花音はそっと冬輝の耳元でささやく。
「琴羽をお願い。無理させた」
「うん、わかってる。俺に任せて。心配ありがとう。
花音ちゃんもお疲れさま」
冬輝と花音がそんな会話を交わしている間も、琴羽は厳しい表情で周囲をうかがっている。
切れそうになる緊張の糸をかろうじて張っている感じだ。
「たっくん。私は何を手伝えばいい?情報収集?」
「いや、琴羽は花音を頼む。あとは俺たちに任せろ」
「私は大丈夫。迎えがすぐ近くまで来てる。
そうだ、琴羽。ホテル側が用意してくれた休憩用の客室に荷物が届いているはずだから、お父さんや私の分も受け取りをお願い」
拓人と花音の会話に琴羽は素直に頷くしかなかった。
正直、まともな判断さえ怪しい今の状態では手伝うどころか足手まといになることは明確だったから。
「お、花音の迎えがきたぞ。じゃあ冬輝、琴羽を頼む。いくぞ、拓人、マリア」
やってきた迎えに花音を預けると、翔太たちは人混みの中へと消えていった。
琴羽の羽織ったジャケットを見て花音が言った。
「普段からショウさんの手伝いで急にきちんとした場に行く機会が多くて。とりあえずこれ羽織ればしのげるからって琴羽が選んでくれた、俺の一張羅なんだ」
「ふうん、琴羽が選んだんだぁ」
冷やかしを込めて花音は琴羽を覗き込んだ。琴羽はいつもと変わらぬ表情ではある。だが。
「冬輝くん」
「ん?どうした、花音ちゃん」
冬輝の腕をくいっと引っ張るとしゃがみ込んでくれた。花音はそっと冬輝の耳元でささやく。
「琴羽をお願い。無理させた」
「うん、わかってる。俺に任せて。心配ありがとう。
花音ちゃんもお疲れさま」
冬輝と花音がそんな会話を交わしている間も、琴羽は厳しい表情で周囲をうかがっている。
切れそうになる緊張の糸をかろうじて張っている感じだ。
「たっくん。私は何を手伝えばいい?情報収集?」
「いや、琴羽は花音を頼む。あとは俺たちに任せろ」
「私は大丈夫。迎えがすぐ近くまで来てる。
そうだ、琴羽。ホテル側が用意してくれた休憩用の客室に荷物が届いているはずだから、お父さんや私の分も受け取りをお願い」
拓人と花音の会話に琴羽は素直に頷くしかなかった。
正直、まともな判断さえ怪しい今の状態では手伝うどころか足手まといになることは明確だったから。
「お、花音の迎えがきたぞ。じゃあ冬輝、琴羽を頼む。いくぞ、拓人、マリア」
やってきた迎えに花音を預けると、翔太たちは人混みの中へと消えていった。