罪か、それとも愛か
五嶋が予約していたのは、中庭の見える個室だった。
重箱に色とりどりの料理が一口サイズで並ぶ、目にも美しいランチが運ばれてくる。
「一条商事で辣腕をふるっているみたいじゃないか。噂はアメリカにも届いているよ」
料理を一気に食べる姿は学生時代そのまま。懐かしさを覚えながら琴羽はゆっくりと箸を進めた。
「五嶋くんは?留学してからどうしていたの?」
「留学期間が終わったあと、五嶋商事のニューヨーク支社で2年働いた。それからロサンゼルス支社に異動して。
今回、日本に帰国命令が出てね。五嶋商事の本社に籍を置くことになった。
日本での仕事は不慣れだし、正直自信なくて……琴羽、色々助けてほしいんだ」
五嶋は相変わらず、ストレートに話をしてくる。そんなところが昔と変わっていない。
いつも相手の表情や言葉から真意を探って、心理戦ばかりしている琴羽にとってなんとも楽な相手ではある。だからこそ、少し肩の力を抜いて話がしたくなった。