罪か、それとも愛か

ーー馬鹿ね。
そもそも冬輝は私との結婚なんて望まない。
どんな時も、ただ一番寄り添ってくれる存在。それだけ。
だって、いつも欲するのは私から。彼から私を望んでくれたことは、ない。

……五嶋くんにプロポーズされたって言ったらどう思うかな。

彼のことだ、琴羽が望むならと祝福してくれる気がする。


そう思ったら、急に寂しくなった。

気づいてしまった猛烈な寂しさで心にぽっかりと穴があき、身体中がきしむように冷える。

「すみません、暖房強くしてもらえますか?」

タクシーの運転手に車の暖房を強くしてもらっても、体の芯は冷えたままだった。

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