罪か、それとも愛か


「琴羽も冬輝も少し落ち着きなさい」

いつもと違う、威厳のある低い声で翔太が言った。腕を組み、何やら考えているようだ。

一同は翔太の言葉を待つ。翔太がきっとこの複雑に絡み合った状況を打破してくれる。この場の誰もが期待して彼の言葉を待った。

「入籍にこだわる必要ないんじゃないか?琴羽は一条琴羽のまま、冬輝をパートナーにして生活していくというのはどうだ?
子供が生まれたら、水上の戸籍にいれればいい」

翔太の言葉に、冬輝はごくりと生唾を飲んだ。

琴羽が望んでもいない結婚を無理に強行せず、それでも一緒にいられる最善の案が提案された。


「なるほど、悪くない。だが水上家はそれを受け入れてくれるのか?」
「洸平も柊子ちゃんも琴羽を娘のようにかわいがってくれてる。本人たちの決めたことなら大丈夫だと思うよ」
「そうか。それが最善の方法かもしれないな。今の琴羽にとっては」

拓人に認められ、琴羽はぐうの音も出ない。一条家の人間にとって当主の拓人の言葉は絶対だ。

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